創立25周年特別企画
コラム


Episode2

最初の名前はWebWaitingRoom

最初の名前はWebWaitingRoom(以下、WWR)でした。 主治医ドットコムの前身となるサービスはWWR(ウェブウェイティングルーム)、文字通りウェブ上で待合室を構築するというサービスです。待合室で長く待つのではなく、ウェブ上の待合室で待つ、つまり自宅にいても待てるような仕組みを開発しました。これを極めていくと、開業医院では待合室を広く取る必要がなく常に、予約をとった患者が数名程度、待合室にいる状態となるはずです。待ち時間も短くなります。これを理想としました。クリニックの外で待てることで、患者は時間の有効活用ができ、待合室で待たされる時の院内感染を心配せずに通院できることがメリットであると考えました。当時のキャッチコピーは「待たなくて医院です。」これができれば、今で言う口コミで情報が広がり患者の増患も見込めると考えたわけです。

しかし今から26年前にその発想は早すぎたようです。第一に、Webという言葉が伝わりません。まだインターネット自体がそこまで普及していたわけでもありません。第二に、流行っている医療機関は待合室が混んでいるところ、といった認識を先生自身がお持ちのケースが多かったのです。「待たせておけばいい」「医療機関は混んでいてあたりまえ」という考え方です。ごく数名の先生方には共感をいただき、導入となりましたが、多くの医療機関には「ただのシステム会社」、「医療機関については素人だから」、と思われてしまいました。確かに、はじめは患者側の立場を背景に生まれましたが、そこに医療機関側のメリットを乗せたように取られてしまったようです。当社のユーザーは患者ではなく医療機関、開業医院であれば院長の鶴の一声で導入するか否かが決まります。そこでもう一度、「医療機関にとって真のメリットとは何か?」に立ち返って生まれたのが、現在の主治医ドットコムです。

実はこの頃、ネットという新しいメディアを餌に、数件のシステム会社が詐欺のような予約システムを販売していました。営業が「あれもできる、これもできる」と説明し契約をした結果、実はシステム自体が完成していなかったのです。月額支払いの契約であるために、解約しようとしても、それは第三者リース契約となっていたため、月額60回(=5年間)分の総額支払い契約になっていました。そのリース契約を取り付けた業者には、初回に全額が支払われるという仕組みでした。このケースでは解約すると5年分の全額を支払う必要があります。「月々いくらの落とし穴」まるで月額レンタル契約のように聞こえますが、実はリース会社を介在させたリース契約、巧妙な手口です。(冒頭に「この頃」と書きましたが、つい最近でも似たようなご相談のお話はありました。)詐欺のような話に引っかかったある先生から、「患者のためにネット予約をやっていきたいし、すでに案内もしてしまっている、なんとかしてください。」と相談を受け、デモ医院として5年間システムをご提供するかわりに小児科の業務内容を詳しく教えていただく、そんな異例の契約の中で「医療機関にとって真のメリットとは何か?」の答えを探すカスタマイズがスタートしました。営業活動は続けるものの、まだまだ時代がついてこない、ようやく人々が折りたたみ携帯でネットを使い始め、孫正義氏率いるソフトバンク社が Yahoo! BB なるADSLモデムを駅前で無料配布していたあの頃、「大きなクジラ」が主治医ドットコムに反応して来ました。

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