創立25周年特別企画
コラム


Episode8

なぜ医療機関の業務に精通しているのか?

前回、業務知識では他社と一線を画すと書きましたが、その自信はどこから生まれるのかを少しお話ししたいと思います。このコラムの初めのほうで「五の橋キッズクリニック」のお話をさせていただきました。オリヴァーの得意分野は予約システムとは別にもう一つ、「経営サポート」があります。

前述の「五の橋キッズクリニック」においても、はじめは診療の予約システムでお取引が始まり、様々設定を見直すミーティングの中で、院長から「診療は得意なんだけど経営は苦手」という本音を聞く機会がありました。有名な先生でしたので、患者は日々大勢来院され、昼休みも取れないというまさに「野戦病院」のようなクリニックでしたが、実は経営も「野戦病院」であり、日々発生する様々な費用、請求書、契約に追われて資金が動くという「自転車操業」でした。決算書を見せていただき、そのバランスの悪さに注目しました。金融機関から資金繰り用の融資を受けるには「美しき決算書」が必要です。日々のお金の出入りを帳簿にありのまま書き込むだけでは「美しき」には程遠い決算書ができあがってしまいます。もちろん脱税や粉飾行為があってはいけませんが、費用の割り振りや科目ごとの売上に占める割合、バランスを整えることで「美しき決算書」を作ることは可能です。金融機関がチェックするポイントを踏まえ、1年間の成績表である「決算書」をバランスよく整えていきます。すると次の期にはどのような収益のプランと費用のプランを立てればよいかが浮き彫りになり、野戦病院経営が、計画的な経営に変わっていきます。開業医の持っているコマは大きく2種類、公費の診療と、自費の診療、つまり小児科では一般診療とワクチン、乳児健診というコマをいかに効率よく予約させ遂行していくかで1年間の収益と利益率、決算書の見栄えが変わっていきます。ある時点から全ての経営を一任され、その後5年間に渡ってサポートさせていただきました。開業医院ではまず、限られたキャパシティを最大限活用するところまでが1つ目の指標、それ以降さらに規模拡張を考えるなら2診の導入や分院展開していくくなど手法は様々持っています。ご依頼から5年後には売上が当初の2倍を超え、利益率も向上、スタッフの昇給や有給消化もしっかり行えるようになりましたが、これを実現するには医療機関ならではの経営哲学が必要となり、その基本には受付のスタッフが日々こなしている業務の習得やストレスの元凶を正確に把握することが必要でした。当社のあるスタッフは、過去に数年間M印の大手ハンバーガーチェーンで店舗売上システムのプロジェクトリーダーをしていました。システムを設計するにあたり、最初に行ったのが業務マニュアルの熟読と実際に人気店舗で数日間業務見習いスタッフとして現場の作業や動線を知る店舗研修でした。ケチャップを3グラム、淡々と落とす技術やポテトを揚げるフライヤーの操作、店内のテーブルを拭きながらドライブスルーのお客様とインカムで対応するなど、ハンバーガーを作る工程からお客様にお渡しするまでのフロー全般や、店長が夜間にマイナス20度の保冷庫でパテやバンズの在庫を確認するなど、現場の動線と大変さを知った上でシステムの設計に入りました。

当社は表向きは予約システムを制作、運営していますが、そのシステムを使って経営改革も行います。現在も数件の医療機関で経営サポートを行っていますが、開業支援や逆に高齢の先生の事業承継もお手伝いした経験があります。当社にはシステムエンジニア以外に多数の医療機関で経理部門や総務部門を経験した者や会計事務所で勤務した経験者もおり、様々な角度から経営を分析、年間計画を立案、実行していくサポートが可能です。予約システムとは少し話がずれましたが、予約システムである主治医ドットコムは単なるアポイントメントシステムではなく、理想的な経営を実現するノウハウが骨の髄まで埋め込まれているのです。

このような背景から当社は医療業務に精通しているわけです。

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